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ボディロッキンで激ヤバ

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【ネタバレ】ジョージ・クルーニー劇場 開幕~『マネーモンスター』を観て~

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 映画『マネーモンスター』を観てきました。ジョディ・フォスターが監督している作品ですが、個人的には凄く面白かったです。

 

 基本的には「ジョージ・クルーニー劇場」です。頭も顔もいいけど性格は悪くて、軽薄で、嘘つきで、すけこましで、もう本人じゃねーかってレベルの当たり役です。ていうか、こういう感じ以外の演技ってアレですよね、ブルース・ウェインくらいしかやったことないですよね。いや、ブルース・ウェインも同じか。(そう考えるとバットマン役も間違ってはいなかったのではないか。バットマンクレジットカード以外は)

 なんで、ジョージ・クルーニーが嫌いな人は、この映画何一つ面白く無いと思います。クソだと思います。僕は好きです。

 もうジョージ・クルーニーが踊ってる時点で、個人的には大満足でした。Dan the Automatorの『What Makes The World Go Round』に合わせて踊る姿は情けなく、バカっぽく、テレビというもの(ショー)のアホらしさを端的に描けていると思います。

 全く映画の中で有効ではなかったんですけど、途中でクルーニーが犯人と「人生の点数ゲーム」をやってる時のクルーニーには深くにも感動してしまいました。ただ、何度も言うように、この話はあんまり映画に関係ないっていうね。すごい、人生への賛歌に満ち溢れてるのに、言ってる奴はクソ野郎っていう、凄いいいシーンなんですけどね。

 ジュリア・ロバーツジョージ・クルーニーが揃ってるってことは、もはや宇宙に飛ぶしかないような感じですけど、今回もこの二人の掛け合いは良かったですね。この二人の関係性の演出も少ない情報から最大限に類推されるものになっていたと思います。

 あと、犯人(カイル)の描き方も良かったです。恋人の罵詈雑言がすごすぎて笑えました。ただ、映画最後のニュース映像でカイルについてキャスターが語りますが、仕事、家族構成についてはわかってるんだけど、それ以外についてはまだ分かりません、と言うのみ。それはつまり”何者でもない”、つまりは”何者でもありうる”ということなんだと思います。

 映画の冒頭で、クルーニーが金を無くした奴はたくさんいるが「銃を持ってやってきたのはお前だけ」と嘲ります。これは資本主義社会の極地である株式市場というものでは、もはや負け組は、存在すら認識されていない、ということなんだと思います。少数の勝ち組を勝たせるための装置でしかないその他大勢の負け組。その構図を示す人物像系としていい感じでした。

 

 色々良かったんですけど、気に入らない所も3つありました。

①爆弾が粘土だとバラすタイミング

 あれが爆弾でないとわかった瞬間から、この映画は緊張感が全くなくなります。ただこれは、主人公と犯人が共闘関係を築いたくらいから緊張感はなくなりつつあるので、タイミング的には悪くないのかもしれませんが。

 

②犯人の死に方

 まぁありきたりすぎるというか、こうしか出来ないかな、と思ってしまいました。悪くはないんですけど、新鮮味はないです。というか、なぜベストを撃たなかったのか、という疑問も残ります。あそこで犯人を撃ったとしても、爆弾が爆発するだけです。それなら、あそこでウォルターを撃って殺すくらいならおもしろいラストだったと思いますが。

 

③最後のクルーニージュリア・ロバーツの会話

 これも、分からなくはないんですけど、最後に「来週はどんな番組撮る?」とロバーツが聞くという意味は、ジュリア・ロバーツは他局に移ることをやめ、クルーニーとこれからも一緒に仕事をする、という意味だと思います。

 ただ、あれだけの事件があって、二人とも死ぬかもしれない状況をくぐり抜けて、何も学ばなかったのか? と思ってしまいました。

 そもそも、今回の事件はもちろん、不正を行った人の責任でもあるわけですが、それも含めて自分たちが末端ながらでも関わっている株式市場というものが招いた事件とも言えるわけです。(もしかすると、あの犯人に近い位置にいる分、罪はより重いという考え方もできます。)

 つまりは、自分たちがあの犯人を作り、殺したとも言えるわけです。主人公たちがそこから何も学ばない、という描き方はちょっとまずいと思います。

 それこそ、マネーモンスターみたいな番組は、アメリカにはいくらでもあります。最後のシーンで、マネーモンスターとは違う株式情報バラエティみたいな番組が流れます。それどころか、何故かそこで向こうのユーチューバーの声が入り「誰でも有名になれるぜ」というメッセージが流れます。これはつまり、主人公たちがこの世界から離れても、代わりの番組なんかいくらでもあるし、なんなら個人レベルでもそんなことをする奴は出てくるぜ、ということです。

 だったら、もうちょっとはっきりと主人公たちは、この世界から抜けだそう、という方向に行っても良かったんじゃないかな、と思います。そうしないと、あまりにも物語が不謹慎の方向に振れてしまうんじゃないかな、と思いました。

 

 色々言いましたが、僕は楽しめました。

 80点です。