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ボディロッキンで激ヤバ

ワンパクでもいい。ボディロッキンで激ヤバであれば。

【ネタバレ】軍人対怪獣シリーズにして欲しかった~『キングコング: 髑髏島の巨神』を観て~

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 もう僕が生きてる間に数回映画化をしている「キングコング」の最新版です。前々から話に上がっている通り、ハリウッド版『GODZILLA』とつなげるために作った作品とのことで、まぁ、そういう感じの作品だな、と思いました。ていうかこれ、ギャレス・エドワーズは関係ないんですね。

 以下、箇条書き。

 

 

・面白くない訳じゃないが、凄く面白いわけでもない

 一応、コング以外にも変な怪物は出てくるし、物語に起伏はあるし、別に面白くないわけではない。

 ただ、凄く面白い要素があるかというと、別にそうでもない。そういう意味で、『GODZILLA』は凄く作りこまれていたと思う。

 

トム・ヒドルストンジョン・グッドマンというノイズ

 特に下調べをせずに観に行ったため、トム・ヒドルストンが出てきた時に「ロキじゃねーか」と口に出してしまい、一気に映画から距離をとってしまうという失態。今後は、役者だけでも必ず目を通そう、と固く誓った。

 あと、ジョン・グッドマンを「どこかでめちゃくちゃ見たことあるのに、どの映画か思い出せない」とやきもきし、最後のほうで「『ジョン・ウィック』のババヤガ歌ってたおじさんか!」と思いつくも、これは間違い。『10 クローバーフィールド・レーン』のサイコパスおじさん役だった。ぜんぜん違うわ。

 コーリー・ホーキンズについては「ドクター・ドレーだよね」としたり顔。

 ちなみに、登場人物全員とくに掘り下げられないまま物語が進む。結局、トム・ヒドルストンという役柄は何をしたかったのか分からない。一応はプロっぽいので別に問題はないんだけど。

 物語と人物の配置をうまくやりすぎてもご都合主義に見えるが、あまりにも関係ないと物語が薄味になる。何かの事件に巻き込まれる人物が、その事件と自分の人生に何かしらの接点を見出し、事件の解決とともに自分の人生を見つめなおし、変化していく、ということが物語においては王道だと思うのだが、それがうまくできていない作品は、途端に出汁がない味噌汁のように薄くなる。もちろん、怪獣映画にそんなものを求めるべきではないのだけど。

 

・軍隊の描き方は悪くない

 軍人たちの描き方は良かった。リアルかどうかはさておき、結束感があり、見ていて面白い。というか、一般人たちより軍人たちだけで島に乗り込んで欲しかった。その方が緊張感があったのではないか。

 そういう意味では、サミュエルL・ジャクソンとジョン・C・ライリーをもっと前に押し出して欲しかった。この二人の関係性をもっと面白く描けていたら、この映画は少し違う味の映画になったのではないか。

 ベトナム戦争の敗北(撤退)が、サミュエルL・ジャクソンに何を思わせたのか。それは「戦死者たち」と「敵」への思いだ。ある意味、この2つの存在は軍隊という組織を生み出す装置の表と裏だ。「戦死者たち」を生み出す「敵」がいないと、軍隊というものは存在しないからだ。戦場から離れる生活をできなくなった人間にとって、この概念のない日常生活こそが、最も恐れる世界になる。サミュエルL・ジャクソンは、最初の方はそういう描き方をされている。これからどうするんですか、という質問には何一つ答えられず、そのくせ最後の任務を与えてくれた上官には心からの感謝を示す。そして、部下たちを危険な任務に晒しておきながらも、そうなることで心の平穏を感じている。作中に示されていたように、サミュエルL・ジャクソンにとってキングコングもベトコンも同じなのだ。

 それに対し、ジョン・C・ライリーは敵と味方という概念を越えてしまった存在だ。彼は生き抜くために敵国の兵士と手を結び、ともに協力する道を選んだ。もしもサミュエルL・ジャクソンがそれを知れば、必ずなにか言うはずだ。「それでも軍人か」と。サミュエルL・ジャクソンにとって、軍隊とは「敵」を殺し、「戦死者たち」に報いる存在なのだ。

 だが、ジョン・C・ライリーは既に軍人ではない。軍人は、軍人でなくなることができるのだ。そういう世界に生きていくことができるのだ。

 そういう風にあの二人の関係を描けていたら、出汁の一つにはなったかもしれない。

 

キングコングの出方は悪くない

 いきなり登場する、というのは嫌いじゃない。そもそも、CMで普通に登場している怪物を出さないでいると、「まだ出てこないのか」とか「体の一部だけしか見えなくてまだるっこしい」という風に感じてしまう。『GODZILLA』くらいのネームバリューになるとそれもいいのだが、『キングコング』でそれをやってしまうと、物語がだれてしまう。今作は、いきなり顔のドアップが出てきたかと思えば、もう普通に夕日をバックに立っていたりとなかなか威勢がいい。なか卯松屋に来た気分にはなるが。まぁ、映画の出来もなか卯松屋の料理くらいのレベルだったとは思う。全然まずくはないし、お金を払って食べる価値はあるので問題はないが。

 

・良くも悪くも昔の特撮映画っぽい

 というのは、コングとの距離感がそう思わせたのだと思う。コングと人間は、いつも結構近くにいる。そのくせ、登場人物が巨大な生き物の近くにいる、という演技や演出を余りしない(鼻息に目を閉じるとか、髪が巻き上がるとか)ので、なんか凄い作られた絵感が出てくる。それが悪いわけではなく、オールドスクールな作りにしたい、という思いがあったのかもしれない。あと、ヒロインの横でヘリコプターがコングの手より落とされ、爆発炎上するシーンがあるが、ヒロインは微動だにしない。爆風で倒れたりしないんだ、と思った。

 昔のきぐるみのように、巨大な何かがここにあるわけではない、という感覚を久しぶりに味わえて面白かった。

 あと、島が狭いからか、しょっちゅうコングが出てくるのも、昔の『ゴジラキングコング』っぽくて面白いな、と思った。なんか距離感が短いというか、小さいというか。

 

・最後はアレは何?

 なんか、あの状態でヘリが来たら「あいつらまた来やがって!」とブチ切れてヘリ落としそう。

 もしくは、あのヘリの人達からしたら「やべーやつがいる! 攻撃しないと!」となるから、主人公たちはよく帰れたものだ。

 

 

 まぁ、大きい画面でアトラクション的には楽しめるので、面白く無い訳じゃない。でも、考えぬいてできた作品ではなさそう。

 今後も色々な怪獣を出すつもりらしいけど、ちょっと厳しいかな、という印象。