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【ネタバレ】脳筋でいいのさ~『アクアマン』を観て~

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 DC映画の『アクアマン』を観てきました。

 DCのシネマユニバースといえば、基本的には駄作を量産する肥溜めと化していたわけですが、『ジャスティス・リーグ』以降の作品は必ずしもそうではない、という評価であり、今作も色々と言いたいことはあるが基本的には楽しく痛快で、映画館で見る価値のある良作になったといえます。

 以下、徒然。

 

・客が観たいものを提供するジェームス・ワン

 今までのDCの映画の問題点は「客が観たい映画ではなかった」の一言に尽きると思う。客が観たいのは「ヒーローが格好良く、敵をなぎ倒していく」映画が見たかったのに、ずっと悩むか、なぎ倒すのはビルばかりで敵は健在、みたいなものばかりであった。『マン・オブ・スティール』のことを言っている。今後も言っていく。

 もちろん、そういう映画が悪いわけではない。ただ、シリーズの(それも今後、いろいろと長く続いていく連作の)1作目にやることではない。3作目くらいにやって、シリーズを緩やかに終わらせる作品でやることだ。

 『アクアマン』では、そんなことはしない。客が観たいであろうアクションを多く見せ、その間につまらない政争劇や津波の大仰なシーンを見せる。まさしく「ワイルド・スピード」作品の監督だな、という印象そのままである。疑似ワンショットで大立ち回りを見せる美男美女(ニコール・キッドマン含む)が、屈強な敵をボコボコになぎ倒していく。その姿にポップコーンが進む。

 ただの大立ち回りの連続ではなく、例えばイタリアではワインを使った超能力など、客を飽きさせないバリエーションも用意する。海の中ではスーパーマンよろしく飛び回ることもあるが、一対一の対決なので『マン・オブ・スティール』のように見にくいこともなく、緊迫感も爽快感もある戦闘シーンだった。

 『アクアマン』という枠を出ない程度に、客層をきちんと理解し、何を観たがっているのかを調べ、提供する。まさしく職業作家として最高の仕事をしたと言える。

 

・予想よりも下を行くサービス精神

 サハラ砂漠に行くシーンでtotoの『アフリカ』が流れて来たときは「勘弁してくれ」と笑いそうになったが、そういう無意味なほどに分かりやすいものを詰め込むところがこの監督のらしさなのかもしれない。

 「太古の島!? そんなん恐竜おるにきまっとるやろ!」という短慮のすぎる頭で、トライデントのある島はジュラシックパークとなっていたが、それも観ていて「勘弁してくれ」となった。

  どこまでが真面目で悪ふざけなのかがつかみにくい監督だが、一言でまとめるなら”ヤンキー節”というのが近いかもしれない。とりあえず、ノリと勢いでやってみればなんとかなる、と思わせる何かがある。

  全てを過剰にしていく所はマイケル・ベイに近いものがある気もする。

 

 MCUの面白くない作品くらいなら太刀打ちできないくらいのレベルの作品にはなったと思う。

 次回作が楽しみ、とまでは思わないが、このノリで楽しませてくれるなら、別に映画館代は高くないと思う。